「Social Innovation EXPO 2025 ~Locanet~」参加報告書
作成日: 2026年1月10日
作成者: やいまDAO 矢井田 裕左

1. イベント概要

2. 参加の目的
やいまDAOの代表として、最新の地方創生×DAOの事例収集、および他地域のDAOプレイヤーや技術者とのネットワーキングを行うため参加いたしました。

3. 視察内容・考察
① 会場の雰囲気と参加者層の二極化
今年6月に大阪で開催されたイベントと比較すると、出展者数は増加傾向にあり、業界の盛り上がりを感じました。一方で、来場者数自体はやや落ち着いていた印象です。

参加者の属性(年齢層と興味の方向性)は、私が出店者すべてに挨拶に向かった感覚としては、明確に分かれていたと判断しました。
- 地域DAOプレイヤー(30代以上中心):
実際に地域でコミュニティを動かし、DAOを運営している層。実社会での経験を活かした活動が目立ちました。 - 技術・開発志向(10代・20代の学生中心):
ブロックチェーン技術そのものへの関心や、スタートアップとしての起業・開発を志向する層。
② 地域DAOのスピード感と開発の民主化
地方から生まれるDAOの勢いが増しています。特に広島県(神石高原町、須波DAOなど)の事例は非常に興味深いものでした。
2025年7月に開始したばかりの神石高原町では、会場でのNFT発行から、SNS拡散を条件とした特産品(唐辛子加工品の辛うてごめんですが、まじ美味しい)のプレゼントまで、一連の動線が非常にスムーズに設計されていました。NFTのデザイン性も高く、ユーザー体験として洗練されています。


また、昔に比べ「AI」などのツールにより開発難易度が下がっていることも、地域DAO増加の要因だと感じます。技術的なハードルが下がったことで、今後はより多くの地域から独自のDAOが生まれてくると予想されます。
③ DAO普及における経済的な課題
現状、円安や物価高といった経済的な背景から、DAO活動への参加に必要な「時間の投資」が難しいと感じる方も少なくありません。生活基盤の安定なしには、なかなか一歩を踏み出せないという側面は確かに存在します。
しかし、私はこの課題に対して非常にポジティブな展望を持っています。 昨今のAI技術の飛躍的な進化は、私たちの働き方や生活様式を根本から変えようとしています。AIが業務の効率化や生活のサポートを担うことで、今後私たちにはこれまで以上の「時間的・精神的なゆとり」が生まれてくるはずです。
その生まれた「余白」こそが、人々がDAOという新しいコミュニティに参加する原動力になると確信しています。AIによる生活の変革が、経済的・時間的なハードルを下げ、結果として誰もが自然にDAOに関われる「マスアダプション」の時代を加速させるのではないでしょうか。テクノロジーの進化と共に、DAOの未来も明るいと感じています。
④ 新たな資金調達の可能性(Web2とWeb3のハイブリッド)
スタートアップの視点で見ると、従来のVCやCVCへのピッチによる資金調達(Web2的アプローチ)に加え、DAOを通じた資金調達(Web3的アプローチ)を視野に入れる動きが重要になると感じました。
どちらか一方に偏るのではなく、双方のメリットを活かして資金調達を行える環境が整えば、事業の継続性は高まり、より柔軟な挑戦が可能になります。これは今後の地域ビジネスにおいても重要な視点です。
⑤ DAO定義のアップデート(添付資料参照)
イベント内のセッションでは、既存組織とDAOの構造比較についても言及がありました。

2022年のブーム時よりも定義が緻密にアップデートされており、以下のような対比が印象に残りました。
- 既存組織(官僚制・株式会社): 集合(全体)を優先し、トップダウンで硬直的。
- DAO(本定義): 「集合」と「要素」の両立・最適化(相利)を目指す。自律分散型で、透明性が高く流動的。
この「透明・流動的」であり「新陳代謝する組織体」という定義は、これからの地域コミュニティのあり方を考える上で非常に参考になる指針でした。
4. 総括
イベント終了後の懇親会には60名以上が参加し、学生からロケット開発企業、地域DAO運営者まで、多様なステークホルダーと交流することができました。

ブロックチェーンやDAOが持つ熱量とスピード感を肌で感じ、やいまDAOの運営においても多くの刺激を受けた一日となりました。
以上
やいまDAOは、八重山の自然・文化・人をつなぎ、持続可能な地域社会を目指す共創型プロジェクトです。伝統とテクノロジーの融合で、誰もが参加できる新しい「くにづくり」を実現しています。
私たちの活動は、八重山の自然信仰や「ユイマール(助け合い)」の精神を大切にしながら、Web3やAIの力で新しい価値を生み出しています。地域の声を集め、共感と信頼で未来をデザインします。

